Japanese
English
報告
刺激に対する神経の時間的特性(補遺)
Some contribution to temporal characteristics of nerves for repetitive stimulation
若林 勲
1
,
佐藤 侑子
1
Tsutomu Wakabayashi
1
1東京医科大学第二生理学教室
1Second Department of Physiology, School of Medicine, Tokyo Medical College
pp.145-151
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906237
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反復刺激に於ける毎回の刺激効果を同じようにするA. R. S. の時間的布置の法則はトノサマガエル・ウシガエル・ヒキガエルのように近縁な動物の坐骨神経の間でも同じでない。
反復刺激の頻度が高くなるとスパイクの漸減のみならず交代・頻度半減からさらに刺激が弱い時には屡々周期の形成がおこる。著者はさらに落伍現象とおくれの現象に注意した。これらは互に独立ではなく交代しつつあるいは周期をつくりつつ漸減することは普通に見られる。Vedensky現象は神経幹でも神経線維でも見られ刺激が弱いほどあらわれ易い。ある条件では漸増が見られた。
各種神経の特性として蛙類の坐骨神経のほか腹神経・迷走神経・交感神経・迷走交感神経・皮膚神経・腎神経等で反復刺激によるスパイク漸減の有無・不応期の長短・閾・伝導速度・クロナキシー等を単一刺激による波形を参照しつつ求めた。時間特性の短かいのは勿論運動神経で,長いものは心臓迷走・交感神経の遅波であつて,その絶対不応期7〜8msec,伝導速度0.3〜0.6m/sec,腎神経でも同様の速度(0.5〜0.6m/sec)であつた。
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