海外だより
東独の5日間
吉川 春寿
1
1東京大学医学部栄養学教室
pp.299-300
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906213
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一昨年11月,Humboldt大学創立150年記念,Charité設立250年記念に際し,その行事の1つとして催された第3回"赤血球の構造と機能"シンポジウムにまねかれて東独の一部をのぞき見るという幸運にめぐりあわせた。周知のように,東独は共産圏に入るうえに日本と国交がないということのために,正式に東独に入るということは非常にむづかしい。今度の場合も,私はHumboldt大学のお客さんというので東独からのビザはえられたが(一般にはこれがなかなかとれない)日本側が正式に東独に入ることを許可できない立場にあるので,東独国内に滞在するのは黙認,その間は出張ではないのだから休暇をとれ,という条件付でやつと日本出国間際に西独行のパスポートが下付された次第だつた。
その前から,ベルリン問題のため東西ドイツ間の雲行があやしくなつて,はたして無事にこのシンポジウムに出席できるかどうか危ぶんだが,幸にして現地では何の緊迫感もなく過すことができた。
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