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寄書
人間の眼についての光学的考察(第5報)大島祐之氏の批判に答えて
Optical investigations on the human eyes.(V)
伊藤 礼子
Reiko Ito
pp.44-46
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906115
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第4報迄に述べて来たことは,従来の考え方に対して疑問を持つたためであつたが,大島氏に実験の主要な点を理解して頂くことが出来なかつたようなので,それらを明かにして改めて御批判を頂きたく思う。
月が多く見えるということは,非矯正眼又は病眼で見られる多視症と矇輪の組合さつたものであるとのことであるが,ピンボケの状態でなければ,私のいうパターンは見えない。しかし正視の眼は,遠方の光点が星状に見える程度のピンボケであつても,+2D位のレンズによつて軽い近視の状態にすると,遠くの光点や月の像は多数見えるのではないかと思われる。これについては数例で確めてあるが,前述のように色々のパターンが考えられるので,尚多くの例に当つてみたい。しかしここで,私が問題にしたいのは,像のズレのパターンは,はつきりしなくても中心があつて,それから放射状に像が並んでいるようで,他の例でも皆この傾向が見られたことである。
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