報告
上皮小體と肝臓機能の關係に就いて—(其2)特に上皮小體摘出前後に於ける血中グアニヂン體の消長並びにこれに伴なう血糖量の消長に就いて
小原 喜重郞
1
,
吉田 大三
1
,
中島 信夫
1
,
瀨田 孝一
2
,
小野 齋
2
1岩手醫科大學生化學教室
2岩手醫科大學外科學教室
pp.37-40
発行日 1952年8月15日
Published Date 1952/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905667
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〔Ⅰ〕上皮小體の機能障碍又これが摘出によつて「テタニー」症状を惹起することは以前より知られ,その本態に就いても古くより幾多の學者により研究報吾せられておるが,その本態に就いては,又異つた獨自の見解から私共はその實險的研究を行い既に發表しているところである。即ち,「テタニー」症状は蛋白分解産物の代謝障碍による中毒の結果であるとすれば,「テタニー」は肝臓機能に密接な關係を有するものという考えから,私共は,上皮小體と肝臓機能との關係,特に蛋白分解産物の處理調整機能との關係を,主として血中殘餘窒素の消長によつて探究したのである。
又教室の小原,吉田は同一見解の下に,上皮小體摘出前後に於ける血清沃度酸値の消長を検索し興味ある成績を得之れまた既に發表した所である。私共は上皮小體摘出前後に於ける血中グアニヂン體の消長によつて肝臓機能の變化を知り,それにより肝臓機能のテタニーに及ほす影響を知らんとしたのである。
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