報告
汗のイオン構成,汗腺エネルギー代謝,高度發汗時における鹽分補給の問題
松岡 脩吉
1
,
吉川 春壽
2
,
佐藤 徳郞
3
,
福山 富太郞
3
1東京大學醫學部公衆衞生教室
2東京大學醫學部生化學教室
3國立公衆衛生院
pp.219-223
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905647
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汗の鹽分は從來主として食鹽について論じられた。勿論食鹽補給は一番大切な問題であるが,私達は共同研究者と共に,その他の鹽分についても分析し,發汗機能との關係を求め,高度發汗時の鹽分補給の問題を日本人の鹽分攝取量の見地から考察を加えて來た。
それらの研究を進める上に先ず微量測定法が要求されるので,吉川等はClはSchalesの方法,焦性葡萄酸はフェニールヒドラジン法,乳酸はBarker等の方法を採用し,我が國に紹介した。KはKramer等の方法,NaはKramer等のピロアンチモン酸カリ法,PO4は鹽化錫を用いる微量法,SO4はベンチヂン法に補正を加え,CaはSobel法,Mgは燐酸鹽として沈澱させ,その燐を量つた。CO2はVan Slykeの検壓法によつたが,特に抽出室は原法そのまゝの寸法を使用した。これは本邦で市販されているものより確かに使い易い。NH3はパームチツト,ネスレル法を採用し,pHは水の試驗に用いる比色法を微量の汗に應用した。
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