展望
神經興奮の機構—電氣生理學と生化學との境界領域
高木 貞敬
1
1東大醫學部生理學教室
pp.202-208
発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905644
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神經の興奮過程ば近年迄主として電氣生理學の立場から研究されて來た。然し乍ら神經は,物理化學的機構であつて電氣生理學の立場をとる限り一定の限界を越えることはできない。神經興奮の綜合としての電氣的變化の蔭にいかなる化學變化が行われているであろうか。これは電氣生理學者誰しもの抱いた疑問であつた。今日電氣生理學はこの問題に關して一應の發展を遂げ新たなる段階を待望している。他方化學特に酵素學の素晴しき發展はこの問題に大きな光を投げ始めた。ここにその主なものを展望してみたい。
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