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特集 神経科学実験マニュアル
電気生理学実験手技
金属微小電極
Metal microelectrode
鈴木 寿夫
1
,
東 正夫
1
Hisao Suzuki
1
,
Masao Azuma
1
1弘前大学医学部生理学教室
pp.392-394
発行日 1985年8月15日
Published Date 1985/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904776
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■ 金属微小電極の必要性
近年,覚醒行動時の動物の脳内で単一ニューロンの活動電位を記録し,その発火パターンから細胞の担う情報を調べる研究が広く行われるようになった。また一方,脳の微小部分を電気刺激し,それによって生じる反応を指標として脳内の出力系の微細な構成を知ることが試みられるようになった。そこで,このような研究をさらに発展させるため,次のような条件を満たす微小電極の開発が望まれるようになった。すなわち,(イ)intactな脳硬膜を介して脳内に穿入できる機械的強度を持つ。(ロ)長時間,安定に活動電位の細胞外記録ができる。(ハ) 記録部位の同定ができる。(ニ) その部位の皮質内微小電気刺激ができる。しかし,今まで開発された金属微小電極にはそれぞれ特徴はあるが,これらの条件を満たさない部分があった。たとえば,タングステン針をガラス毛細管に封入した電極1)や,白金イリジウムをソルダガラスで絶縁したもの2)は丈夫であるが,記録部位のマーキングが困難である。一方,ステインレス・スチール製の電極3)はマーキングができるという利点はあるが,曲りやすいという欠点がある。以下,これらの欠点を改善すべく開発された,ガラス被覆エルジロイ微小電極4,5)について述べる。他の電極については文献を参照していただきたい。
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