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実験講座
暗視野光学顕微鏡による微細構造の確認
The progress in dark-field light microscopy
宝谷 紘一
1
Hirokazu Hotani
1
1京都大学理学部 生物物理学教室
pp.309-314
発行日 1978年8月15日
Published Date 1978/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903269
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Ⅰ.なぜ光学顕微鏡を使うか
電子顕微鏡の技術がこんなに進歩している時代に微細構造を調べるのにいまさら光学顕微鏡(光顕)を使ってもしかたがあるまいと思われるのは当然である。たしかに解像力の点でも光顕はよくて0.3μmぐらいであるから,電顕のそれには遠く及ばない。ところが最近,これまで光顕では観察不能と考えられていた細胞小器官や生体高分子集合体も非常に強力な光源を使って暗視野照明すれば光顕でも観察可能なことが分った1)。そして,静止像の写真撮影による定量的な研究がなされ2〜5),さらに超高感度ビデオカメラを用いて動いている映像をも記録できるようになり6),10〜数100ナノメーターの大きさをもつ生体物質を動的に調べる手段として注目されるようになってきた。
以下,暗視野光顕観察の特徴あるいは利点を具体的に例を上げて示すことにする。逆にいえば,下記のような利点を積極的に生かすことのできる研究にはこの方法は向いているが,そうでなければ電顕にはとうていかなわないのである。
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