話題
プルキンエの生涯と業績
岩間 吉也
1
Kichiya Iwama
1
1大阪大学医学部高次神経研究施設
pp.564-567
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903096
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ふつうの生理学の教科書を手にとつて人名索引を引くと,少なくともつぎの四つの事項でプルキンエの名前に遭遇する。
①心臓のプルキンエ線維
②小脳のプルキンエ細胞
③眼のプルキンエ現象(遷移)
④眼のプルキンエ・サンソン像
戦前に初版が出され,細密をもつて知られる藤田佐武生理学講義の感覚の章には,さらにもう二つの事項がのせられている。
⑤プルキンエの網膜血管像
⑥プルキンエの回転感覚
以上に数えあげた事項に冠しているプルキンエの名は,いうまでもなく同一人のヤン・エバンゲリスタ・プルキンエJan Evangelista Purkynĕ(1787〜1869)の名前である。教科書に一つでも名前が残るというのは,およそ容易なことでない。それをいくつも残しているという人がプルキンエである。以下では,プルキンエの生涯について文献2)と3)とによつて簡単な記載をし,そのうえで彼の名を冠した生理学上の発見に限つて二,三の挿話をのべようと思う。
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