Japanese
English
特集 感覚有毛細胞
総説
特殊側線器(電気受容器)
Specialized lateralis receptors-Electroreceptors
小原 昭作
1
Shosaku Obara
1
1帝京大学医学部第一生理学教室
pp.127-141
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903045
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高等動物の内耳を含む聴・側線器系の感覚受容器が"有毛細胞"(機械的受容器)であり,その基本的な構造が魚の表在性側線器によつて代表されることはよく知られている。ある種の魚はこのような通常型側線器(ordinary lateralis receptor)の他に,特殊側線器(specialized lateralis receptor)とよばれる一群の受容器をもつており,これらは形態的には"感覚毛を失なつた有毛細胞"と考えてよく,機能的には水中の電場の変化を検出する電気受容器(electroreceptor)である。
このような受容器の存在は,はじめ弱電気魚とよばれる連続的に弱い発電を続けている熱帯魚について想定された(Lissmann35))。これらの魚は,①外来の電気刺激にきわめて鋭敏であり,またこねら厳密な行動実験的検証により,まず,電場を検出する未知の受容器の存在が想定されたと同時に,それが魚白身の発する信号によつて周圏の環境を探る感覚系の一錦として使われていることが確立された。
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