話題
François Chapeville教授のプロフィル
真野 嘉長
1
Yoshitake Mano
1
1東京大学医学部栄養学教室
pp.261-262
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903002
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旧臘,昭和48年12月9日より23日までの2週間にわたり,日仏文化交流計画により来日されたFrançois Chapeville教授は現在ヨーロッパにおける分子生物学の領域で指導的な役割を果たしている少壮な研究者の一人である。
彼は1924年のポーランド生まれで,本年49歳の働き盛りである。その基礎教育をポーランドで卒え,第二次大戦後フランスに渡り,帰化した。最初彼は獣医学を志し,Alfort大学獣医学部を1950年に卒業し,Paris大学獣医学部にHirudineに関する論文を提出して獣医学博士を授与された。これはHirudineの抗血液凝固作用に関する研究で,それがヘパリンの500倍も強い抗トロンビン作用を示したものである。そこで獣医学一般を習得する傍ら,基礎科学に興味をもつようになつた。それでSorbone大学に移り,そこの獣医学部の生理学教室において助手となり,生化学の研究を開始した。この時代には諸種の家畜の腸平滑筋の収縮に関する研究を行ない,1954年に生化学修士の称号を得た。
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