巻頭言
千進法のすすめ
村地 孝
1
1名古屋市立大学
pp.153
発行日 1968年8月15日
Published Date 1968/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902775
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千進法という用語が適当かどうかもわからない。要するに,10の3乗を一区切りにする数のかぞえ方をしようではないかという提唱である。
一十百千万,十万,百万,千万,一億,と進む方式は万進法というべき数え方で,10の4乗ごとに,万,億,兆,京などという字が使われる。これに対して,千進法は,千のつぎの区切りがミリオンで10の6乗,そのつぎがビリオンで10の9乗(ただし米国式)というふうに数える方式である。どちらの方式もそれぞれの歴史的背景をもち,それぞれの合理性を持つているにちがいない。しかし,いまの日本語で,どうしても万進法でなければならない理由は,文学的表現上の必要性以外にはまつたく存在しない。
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