実験講座
流量測定法(2)
入内島 十郎
1
1東大医用電子研
pp.40-45
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902666
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■ 交流式電磁流量計の電子回路
第5図はKolinら16)により開発された交流式電磁流量計のブロック線図であり,第6図Ⅰ-Ⅳにその電子回路の全容を示してある。
まず第6図Ⅰの音叉Fを用いた発振器により400サイクルの正弦波を発生させ,これを第6図Ⅱの電流増幅器により増幅し,0.2-1Aの400サイクル正弦波電流により電磁石C1,C2を励磁する。このとき生ずる磁界は
H=H0 sin ωt (16)
となる。もちろんω=2π×400である。式(16)を前号で示した式(15)に入れれば,血管に接した誘導電極E1,E2(前号第4図参照)に生ずる起電力が得られる。すなわち,
e=H0 ν sin ωt (17)
したがつてeを適当に増幅し,整流すれば平均流速vが求められるはずであるが,誘導電極E1-E2の間は血管および血液により短絡されており,誘導回路はループを形成し,捲き数1のコイルと等価となつているので,コイルC1,C2にかかる交流電圧はこの誘導側のループに誘導起電力を発生する。これはあたかも変圧器の1次コイルが2次コイルにおこす効果と同じであるから,変圧器効果(transformer effect)と呼ばれる。
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