交見
共通の広場を考えよう,他
山村 雄一
1
1大阪大学内科
pp.92-95
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902616
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学問が現在ほど分化しなかつた時代には,基礎医学と臨床医学はともに研究の発想法,方法論などほとんど変りはなかつた。医学は一つであつたといえる。つまり臨床はもちろんのこと,基礎も患者に密接した研究を行なつていた。生化学は医化学であり,細菌学は病原細菌学であつた。
しかし今は違う。どうしてこの様に離れ離れになつてしまつたかと思うほど両者は相へだたつてしまつた。基礎医学は生物学や理学部の生化学とほとんどかわらぬ領域に行つてしまい,臨床は自我流の研究法で検査をくり返すことになつてしまつた。この様になつたことはそれなりに理由のあつたことではあろうがはたして医学の進展の為によいことであるかどうか,深刻に反省してみる必要があろう。
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