Japanese
English
論述
体性と内臓性の間—Oro-Anal System神経支配の特異性
Properties of neurol organization in oroanal system……borders of somatic and visceral fields.
山本 信二郎
1
Shinjiro Yamamoto
1
1金沢大学医学部外科教室
1Department of Surgery, School of Medicine, University of Kanazawa
pp.45-52
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902567
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Ⅰ.緒言
自律神経系を,交感系(sympathetic),及び副交感系(para-sympathetic)の二つに分類する方法は,この方面の研究の基礎として,現在尚最も一般に用いられている。然しながら,この分類法の元祖であり,脳及び仙髄より出る自律系(cranio-sacral outflow)を胸腰髄から出るもの(thoraco-lumbar outflow)に対比させ,前者にpara-sympathetic autonomの名称をつけたLangley14)自身,170編に余る彼の生涯の著作において,その表題の中にこの名称を用いたことが唯の一度もないのは注目に値する。この事実は,新しい命名に対するLangleyの慎重な態度を示すとともに,一方para-sympatheticの名称のみでは表現し得ないこの系統の特異性を物語るものともいえよう。
目にゆくmidbrain outflowを一応除外すると,副交感神経系は,bulbar outflowとsacral outflowに分けられ,これらは系統発生的には,体節(metameres)の両端,すなわちoro-anal systemに関連して発達し14),交感神経系に拮抗する性質をもつ他に,自律性と体性の中間の性質を示す要素が多く,その機能の脱失は,生命或いは日常生活に直接重大な支障を来す点で,全く不随意的,自律的である。
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