Japanese
English
特集 血管―新しい観点から
血管内皮における張力刺激と細胞骨格
Cytoskeleton changes in response to tensile stress in vascular endothelial cells
杉本 啓治
1
,
武政 徹
1
,
藤井 幸子
1
,
山下 和雄
1
Keiji Sugimoto
1
,
Tohru Takemasa
1
,
Sachiko Fujii
1
,
Kazuo Yamashita
1
1日本医科大学解剖学第一講座
pp.93-98
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901550
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筋肉細胞をはじめ,生体を構成する多くの細胞は何らかの機械刺激を受けている。血管内皮細胞も血流による流れずり応力,あるいは血圧による張力などの機械刺激を常時受けている細胞である。こうした刺激に対する応答を内皮細胞が活発に行って,血管としての恒常性を保っている事実が最近つぎつぎに明らかにされている1)。また,その機能不全が動脈硬化をはじめ脈管病変の主原因の一つになることからも,内皮細胞が機械刺激に対して示す応答反応の実体を明らかにすることが重要な課題になっている2)。本稿においては,張力刺激に対して内皮細胞が示すアクチン系細胞骨格の動態について解説する。他の細胞骨格要素が機械刺激によって明確な対応変化を示したとの報告はまだなされていないこともあり,内容的には細胞/基質間接着に関わるアクチン線維束(=ストレスファイバー:SF3))に関するものになることをまずお断りしておく。
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