Japanese
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特集 軸索誘導
軸索束による接触誘導
Contact guidance of migrating neuroblasts on/in axonic neurite bundles: a possible role of filopodia
永田 功
1
,
小野 勝彦
2
,
木村-黒田 純子
1
,
中辻 憲夫
3
Isao Nagata
1
,
Katsuhiko Ono
2
,
Junko Kimura-Kuroda
1
,
Norio Nakatsuji
3
1東京都神経科学総合研究所神経細胞生物学研究部門
2島根医科大学第二解剖学講座
3国立遺伝学研究所発生工学研究室
pp.560-564
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901270
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100年近く前,Harrisonによって行われたカエル胚神経組織の初代培養で,神経突起はガラスなどの足場となる固形物の表面に接触(コンタクト)して伸びるという報告に始まり,後にWeissにより,細胞が方向性のある基質に沿って配列するという接触誘導(コンタクトガイダンス)の概念が生まれた。これは中井らによる末梢神経ニューロンの成長円錐にあるフィロポディア(糸状仮足)の接触挙動の観察へと続いている1)。本特集で取り上げられているように,最近神経発生の分野では,拡散性分子による誘導と反発という概念が明らかになってきて注目を集めている。しかし,脳の基本単位は神経細胞同士が互いに接触することにより成り立っており,フィロポディアが直接接触することによって,相手方の細胞膜の表面にある分子群やその構造を認識する重要性は失われていない。本稿では,哺乳類発生期脳でのニューロブラストの移動過程において観察された,ニューロンと線維束(多数の無髄軸索が平行に並んだ立体的な束)間でのコンタクトガイダンスを中心に概説する。
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