特集 器官―その新しい視点
1.消化器
大腸:大腸上皮
鈴木 裕一
1
,
児山 香
1
Yuichi Suzuki
1
,
Kaori Koyama
1
1静岡県立大学食品栄養科学部生理学研究室
pp.355-358
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901109
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ポイント 体液Naバランスと大腸機能
ヒトでは,大腸に1日あたり約140mMのNaを含む液がおおよそ1.5lほど流入する(1日のNa摂取量にほぼ相当する)。糞便中のNa濃度は40mM以下で,その量は100-200ml程度であるので,大腸に入った水の90%およびNaの95%以上が大腸内で再吸収されている1)。生体がNa不足の状況になると糞便中のNa排泄量が減る。これは大腸でのNa再吸収亢進の結果であり,副腎皮質ホルモン,特に電解質コルチコイドのアルドステロンがこの調節に関わっている2)。本稿では,副腎皮質ホルモンによる大腸Na吸収調節についてまとめ,大腸が体液塩バランスに果たす役割について考えてみたい。
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