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特集 病態を変えたよく効く医薬
新しいキノリン骨格をもった抗菌物質―作用機序
The mechanism of new quinolone antimicrobial agents
川上 純一
1
,
伊賀 立二
1
Junichi Kawakami
1
,
Tatsuji Iga
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.731-737
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901047
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合成抗菌剤であるニューキノロン剤は,現在では尿路感染症や呼吸器感染症などに対する治療をはじめとして多くの診療科領域において汎用されている。この薬剤の特徴としては,幅広い抗菌スペクトルと強力な抗菌力,高いバイオアベイラビリティ,そして良好な生体内安定性と組織移行性などがあり,ニューキノロン剤は優れた抗菌剤として感染症の化学療法に大きく貢献している。その一方で,本薬剤には注意すべき各種医薬品との相互作用があるため,その実際の臨床使用に際しては適切な処方設計が求められる。本邦において市販されているニューキノロン剤を,そのプロトタイプとなったオールドキノロン剤と共に表1にまとめた。オールドキノロン剤には,ナリジクス酸,ピロミド酸,ピペミド酸およびシノキサシンが該当する。尋常性座瘡に対する外用薬(クリーム剤)であるナジフロキサシンを除いて,これらキノロン剤は全て内服薬(錠剤・カプセル剤)として販売されている。本特集では,ニューキノロン剤の一般的な作用機序,体内動態および副作用・相互作用について今後の展望を含めて概説し,更に近年市販されたキノリン環を母核に持つスパルフロキサシン,フレロキサシンおよびレボフロキサシンについてその特徴を紹介する。
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