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特集 ストレス蛋白質
低分子量ストレス蛋白質のストレス応答
Stress responses of small stress proteins
加藤 兼房
1
,
稲熊 裕
1
,
伊東 秀記
1
Kanefusa Kato
1
,
Yutaka Inaguma
1
,
Hidenori Ito
1
1愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所生化学部
pp.342-347
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900933
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I.哺乳動物の低分子量ストレス蛋白質
哺乳動物の低分子量ストレス蛋白質(sHSP)としてはhsp27(SDS-PAGEで25-28kDa,マウスではhsp25,ヒトではhsp28とも呼ばれている)が知られていた。しかしその一次構造の類似性から予想されていたように,眼球レンズ構成蛋白質であるαBクリスタリン(23kDa,以下αB)もこのファミリーの一員であることが証明された1,2)。最近われわれは,筋細胞中でhsp27,αBとともに複合体を形成し,骨格筋抽出液よりcopurifyされてくる蛋白質で(SDS-PAGEで約20kDa),その一次構造がαBおよびhsp27と高いホモロジーを示すp20を精製し,その一次構造を決定し3),cDNAをクローニングした4)。図1にp20の一次構造をαBのそれと並べて示した。このp20はストレス誘導されないが,熱ストレスによって核分画へ移行するなどの応答を示し(図2)3),おそらくsHSPの一員と思われる蛋白質である。hsp27,αBおよびp20は,正常組織でも発現していて3-6),とくに骨格筋(赤筋),心筋に多い。hsp27は腸管や膀胱などの平滑筋や肺,副腎にも多く存在し,全身組織に広く存在するのに対しαBはレンズと筋組織以外は腎に比較的多く発現しているにすぎない。p20は横紋筋,心筋以外に平滑筋にも多く存在している。
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