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実験講座
発達脳部分の容積測定法
Volumetric analysis of the component parts of the developing brain
中江 陽一郎
1
,
後藤 昇
2
Yoichiro Nakae
1
,
Noboru Goto
2
1東京慈恵会医科大学小児科学教室
2昭和大学医学部第2解剖学教室
pp.154-157
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900332
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脳を構成する各部分の発達を定量的に評価しようとする試みは比較的古くからなされている。たとえば,Jenkinsは胎生期の脳を小脳・中脳・間脳・終脳などの8つの部分に分け,それらの重量と体積を計測し,在胎週数による各構造の脳全体に占める割合の変化を数値で表している1)。Dunn2),Dobbingら3)も,脳の区分の仕方に若干の差異はあれ,類似の手法で胎児期,あるいは胎児期から成人期にかけての脳の定量的発達の評価を行っている。これらの研究の手法に共通するものは,脳を構造別にいくつかの部分に切り分けて,おのおのの体積と重量を測定するという方法である。また,Nobackらは脳のさまざまな部分の長さをパラメーターとして設け,それらの計測値の変化から胎児脳の各部分の発達の様相を考察した4)。
しかし形態的な問題から,これらの手法では1個のブロックとして切り離すことが困難な大脳皮質や大脳基底核などの計測を行うことは不可能である。
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