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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅰ.レセプターに作用する薬物
N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体
N-methyl-D-aspartate receptor
米田 幸雄
1
,
荻田 喜代一
1
Yukio Yoneda
1
,
Kiyokazu Ogita
1
1摂南大学薬学部薬理学研究室
pp.371-372
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900225
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「概説」
哺乳動物中枢神経系のイオノトロピック型興奮性アミノ酸受容体のサブタイプの一つであるNMDA感受性受容体は,その活性化に伴い主にCa2+の細胞内流入が惹起される。本受容体は記憶形成・学習に関与するばかりでなく,神経細胞壊死や種々の神経精神疾患の発症に深い関連性を持つ1-3)。NMDA受容体は,少なくとも4種類〔①NMDA認識部位,②グリシン(Gly)認識部位(GlyB部位),③ポリアミン(PA)部位,④イオンチャネル部位〕のサブコンポーネントから構成される受容体イオノフォア複合体である。NMDA認識部位,GlyB部位およびPA部位は,いずれもレセプター機能の増強部位であり,とくにNMDA認識部位およびGlyB部位はイオンチャネルの活性化に必須である。このイオンチャネル部位には,Mg2+部位,Zn2+部位,H+部位,および非競合的アンタゴニスト結合部位(PCP部位)の活性抑制部位が存在する4-6)。
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