特集 New proteins
細胞骨格・筋関連タンパク質
微小管関連タンパク質
繊毛・鞭毛関連タンパク質:dynein,nexin,tektinなど
毛利 秀雄
1
Hideo Mohri
1
1東京大学教養学部生物学教室
pp.319-320
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900072
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dynein(ダイニン)
■歴史
ダイニンは繊毛や鞭毛の主要なATPaseとして最初に単離・精製されたが,現在ではこの種のダイニンをaxonemal dynein(軸糸ダイニン)と呼び,それ以外の場所,たとえば卵の分裂装置や神経軸索などに存在するダイニンをcytoplasmic dynein(細胞質ダイニン)と呼んでいる。繊毛や鞭毛のATPaseがミオシンとは異なることは,すでに1950年代に知られていた。1963年にGibbonsは,テトラヒメナの繊毛よりこのATPaseを抽出することにはじめて成功し,これにダイニン(dyne=力,-inはタンパク質)の名前を与えた(1965)。したがってその歴史は,同じ繊毛や鞭毛の微小管の構成タンパク質として最初に同定,命名されたチューブリン(毛利,1968)よりも古い。
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