軟骨細胞分化のエピゲノム

内軟骨性骨化は長管骨をはじめとするヒトの大部分の骨格形成を担う骨化様式であり,その主体をなす軟骨細胞分化はさまざまな因子により複雑かつ緻密に制御されている.近年,DNAメチル化やヒストン翻訳後修飾など遺伝子発現制御におけるエピゲノムの重要性が解明され,軟骨細胞分化においてもその役割が明らかにされつつある.そして,骨格形成だけでなく変形性骨関節炎などの軟骨代謝疾患においてもエピゲノムの関与が注目されている.本総説では,軟骨細胞分化を制御するエピゲノムについて,最新の知見も交えて紹介する.