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特集 グローバル時代の新興再興感染症への科学的アプローチ
Ⅱ.AIDSへのアプローチ
システムウイルス学—未知のウイルスの姿を描出する新しいウイルス学
Systems Virology:shedding light on unknown aspects of viruses
佐藤 佳
1
Sato Kei
1
1東京大学医科学研究所システムウイルス学分野
キーワード:
システムウイルス学
,
バイオインフォマティクス
,
異種間伝播
Keyword:
システムウイルス学
,
バイオインフォマティクス
,
異種間伝播
pp.301-305
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201372
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ウイルスは宿主がいなければ存在できない。当“システムウイルス学”研究室では,実験ウイルス学を基軸に,バイオインフォマティクスや分子進化学,分子系統学,古生物学などの科学領域の研究手法を融合させることで,“ウイルス”を様々な視点から総合的に理解するための新しい学問“システムウイルス学”を創生することを目的とした研究を進めている。当研究室では,ウイルスと宿主の関係,あるいはウイルス感染を摂動とする生命現象を,
・共存する“相生関係”と敵対する“相克関係”
・過去,現在,未来という進化的な時間軸
・分子メカニズムというミクロな視点と,流行・伝播というマクロな視点
で捉え,それらを多面的・包括的に理解することを目的とした研究を進めている。本稿では特に,当研究室で進めている2つの研究内容,“生体内におけるエイズウイルスの異質性(heterogeneity)の描出”1)と“エイズウイルスの適応進化原理”2)とその成果について概説する。
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