Japanese
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解説
人工知能技術を用いた病理組織画像解析
Histopathological image analysis using artificial intelligence techniques
河村 大輔
1
,
石川 俊平
1,2
Komura Daisuke
1
,
Ishikawa Shumpei
1,2
1東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム病理学分野
2東京大学大学院医学系研究科分子予防医学教室
キーワード:
デジタル病理画像
,
Whole slide image
,
畳み込みニューラルネットワーク
Keyword:
デジタル病理画像
,
Whole slide image
,
畳み込みニューラルネットワーク
pp.72-76
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200953
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深層ニューラルネットワークによるディープラーニングの技術は,2012年のILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)において圧倒的な精度で優勝して以来極めて速い速度で進化しており,既に一般画像認識では人の認識精度を上回ることが示されている。医療画像に関しても急速に応用が進んでおり,放射線画像や皮膚の肉眼写真などでは疾患を限定すれば既に医師に匹敵する性能を発揮している1,2)。一方,病理組織像の認識については,がん細胞3)や細胞核4),細胞分裂像5),腺管6)などの特定の対象物の検出から,腫瘍の分類・グレード判定7,8),免疫染色の定量的評価9)など様々なアプリケーションがあるが,やはり深層学習技術の登場以来劇的に性能が向上している。例えば,2017年における乳がんのリンパ節転移の検出の報告など,ディープラーニングにより部分的には病理医のパフォーマンスを上回ることが報告されている3)。その一方で,病理画像は一般画像や他の医療画像とは異なる特徴があることが解析の障壁となっている。本稿では,人工知能技術を用いて病理画像を解析する際に生じる問題,およびそれらを解決するための技術的側面について述べる。
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