増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:1回膜貫通型◆受容体の遺伝子:EGFR(ERBB)
EGF受容体の突然変異を検出する新しい鋭敏な方法
中村 朝美
1
,
木村 晋也
1
Nakamura Tomomi
1
,
Kimura Sinya
1
1佐賀大学医学部内科学講座 血液・呼吸器・腫瘍内科
pp.464-465
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101517
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がん分子標的療法は標的分子が明確であるためバイオマーカー検索を行うことにより効果予測が可能となる。肺がんでは,EGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の効果予測因子としてEGFR活性型遺伝子変異(エクソン19欠失,L858R)が用いられる。EGFR遺伝子変異を有する肺がんではEGFR-TKIが高い抗腫瘍効果を示すが,1年前後で獲得耐性を起こすことが問題となっており,獲得耐性の約50%はEGFR T790M遺伝子変異によるものである。このように現在の肺癌診療においてEGFR遺伝子変異の状況を知ることは治療方針を決定するうえで必要不可欠となっている。本項ではEGFR遺伝子変異検査法の歴史と,われわれが新規開発した血漿遊離DNAを用いてEGFR遺伝子変異を検出するための高感度検査系について紹介する。
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