Japanese
English
特集 細胞極性の制御
ニューロンの極性形成を概観する
Neuronal polarity
船橋 靖広
1
,
中牟田 信一
1
,
難波 隆志
1
,
貝淵 弘三
1
Yasuhiro Funahashi
1
,
Shinichi Nakamuta
1
,
Takashi Namba
1
,
Kozo Kaibuchi
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科 神経情報薬理学講座
pp.152-162
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101278
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
神経細胞は通常1本の軸索と複数の樹状突起を有する高度に極性化した細胞である。樹状突起は神経伝達物質の受容体を介して受け取った情報を電気信号に変えて細胞体に伝え,軸索は軸索末端から神経伝達物質を放出し他の細胞へ情報を伝える(図1)。このように一つの方向性を持った情報の流れが神経細胞としての機能を成立させている。生体脳においては多数の神経細胞が複雑な神経ネットワークを構築し,情報の受容,統合,伝達を繰り返すことで学習,言語,情動といった高次機能を生み出している。しかしながら,いかにして軸索・樹状突起の運命が決定されるかは,最近まで殆ど理解されていなかった。本稿では,神経細胞の軸索形成を制御する分子機構について,われわれの研究結果や最近の知見を概説する。さらに,近年精力的に研究が進められている生体内での軸索形成機構について最新の研究結果を紹介したい。
Copyright © 2012, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.