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特集 細胞死か腫瘍化かの選択
PHLDA3は新規Akt抑制因子であり癌化を抑制する因子である
PH domain-only protein PHLDA3 is a p53-regulated repressor of Akt
大木 理恵子
1
,
川瀬 竜也
1
Rieko Ohki
1
,
Tatsuya Kawase
1
1国立がん研究センター研究所 細胞増殖因子研究部
pp.560-567
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101083
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日本人の死因第1位は「癌」であり,癌の克服を目指した研究は大きな社会貢献につながる。ここ数十年の分子生物学やゲノム解析の進展を足場に,癌化のメカニズムの解明を目指した癌関連遺伝子(癌抑制遺伝子,癌遺伝子)の研究は大きく進み,多くの重要な遺伝子が明らかにされてきた。しかしながら,肺癌や乳癌のように研究の比較的進んでいるものでさえ,これまでに明らかにされた遺伝子異常で説明できるのは一部にとどまっており,大部分のものについては未解決のままである。ゆえに,これからも地道な癌化のメカニズム解明のための研究が必要とされるといえるであろう。われわれは,癌抑制遺伝子p53の転写因子としての機能を明らかにすることで,癌化メカニズムのさらなる解明が可能になると考え,研究を進めてきた。
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