特集 シナプスをめぐるシグナリング
4.Gタンパク
Rab3Aと神経可塑性
坂根 亜由子
1
,
佐々木 卓也
1
Ayuko Sakane
1
,
Takuya Sasaki
1
1徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 生体制御医学講座 分子病態学分野
pp.426-427
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101034
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神経細胞間では,電気的信号が神経終末に到達するとプレシナプスから神経伝達物質がシナプス間隙に放出され,それらがポストシナプス膜にある受容体と結合することによって情報の伝達が行われている。これら個々のシナプスでの情報伝達の微調整(チューニング)が,神経可塑性に代表される高次神経機能の制御において非常に重要な役割を果たしている。そのチューニングの本体として,NMDAやAMPA受容体などの神経伝達物質の受容体をのせた小胞のポストシナプス膜への輸送を制御することにより,膜上の受容体の数を調節する機構が注目されている。さらに,今一つの重要な調節機構として,神経伝達物質を含んだシナプス小胞のプレシナプス膜への輸送の制御によって神経伝達物質の放出の量および効率を変化させる機構がある。
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