特集 伝達物質と受容体
1.アミノ酸
抑制性
網膜神経節細胞死とGABAA受容体β1サブユニット
金本 尚志
1
Takashi Kanamoto
1
1広島大学病院眼科
pp.386-387
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100884
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[用いられた物質/研究対象となった受容体]
ムシモール,ビククリン/GABAA受容体
ヒト網膜は視覚情報を受容して中枢(大脳)に伝達する役割をもつ,眼球の後眼部内面に存在する膜様の神経組織である。視覚情報はまず網膜外層の視細胞が受容・認識した後,網膜内の神経伝達細胞を介して,網膜内層の網膜神経節細胞に伝達される。網膜神経節細胞から発した求心性の神経線維は束となって視神経となり,大脳内部まで到達している。その結果,最終的に視覚情報が認識される視路が形成されている。
網膜内の神経伝達物質には,ドーパミン,グリシンなどのほかに,脳内の抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酸(GABA:gamma aminobutyric acid)も存在する。GABAの受容体にはGABAA受容体・GABAB受容体・GABAC受容体があり,それらはα1-α6,β1-β4,γ1-γ4,δ,εなどの多くのサブユニットによって構成されている。特に,GABAA受容体は網膜内に豊富に存在し,神経伝達に重要な役割を果たしている。
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