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特集 免疫学の最近の動向
Aryl hydrocarbon receptorによるTh17細胞の分化制御機構
Ahr regulates the development of Th17 cells
木村 彰宏
1
,
岸本 忠三
1
Akihiro Kimura
1
,
Tadamitsu Kishimoto
1
1大阪大学大学院生命機能研究科免疫制御学講座
pp.275-279
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100348
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ヘルパーT(Th)細胞にはこれまで,細胞性免疫に関与している1型ヘルパーT細胞や液性免疫に関与している2型ヘルパーT細胞の存在が確認されていた。ところが近年,IL-17を産生する新たなTh細胞のサブセットとしてTh17細胞が発見された。Th17細胞は自己免疫やアレルギー反応などで重要な役割を果たしていることが報告されてきており,注目を集めている。Th17細胞はIL-6とTGF-βの刺激により誘導され,retinoid-related orphan receptor γ(RORγ)やRORαがTh17細胞の分化を誘導する転写因子として同定されたが,その分化制御機構には未だ不明な点も多く残されている。今回われわれは,ダイオキシンレセプターであるAryl hydrocarbon receptor(Ahr)がTh17細胞分化を制御していることを発見した。本稿では,Th17細胞の分化機構を概説していくとともに,AhrによるTh17細胞の新たな分化制御機構について紹介する。
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