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連載講座 中枢神経系におけるモジュレーション・2
海馬における性ホルモン合成と記憶学習モジュレーション
Hippocampal synthesis of sex hormones and the modulation of memory by them
川戸 佳
1
,
木本 哲也
1
Suguru Kawato
1
,
Tetsuya Kimoto
1
1東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻
pp.65-71
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100008
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性ホルモンは脳神経の機能に対し様々な作用を及ぼす。従来,神経内分泌学では脳神経に作用する性ホルモンは精巣・卵巣などの性腺で合成され,血流によって供給されるものと考えられてきた。一方で,海馬のニューロステロイド産生の機構は最近までほとんど解明されていなかったが,われわれの研究などにより女性ホルモン(エストラジオール)をはじめとする様々なニューロステロイドが合成されていることが証明された。さらに,エストラジオールは海馬の記憶学習に関与する神経シナプス伝達を急性的にモジュレートしていることを解明しつつある。本稿では,最新の知見に基づき,海馬における性ホルモンの合成とその神経伝達に係る急性作用,および擬似女性ホルモンである環境ホルモンの作用を解説する。
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