構造式で語る医学│薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!・6
経口高分子製剤—マクロライド
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.698-701
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060698
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マクロライド系抗菌薬は互いに交差反応しうる
主なマクロライド系抗菌薬にはエリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシンがあります。クラリスロマイシンやアジスロマイシンは、エリスロマイシンから派生して作られた半合成マクロライドですから、これらはお互いに構造が似ています(図1)。マクロライドはアレルギー反応が少なく、また代替薬があることから交差反応についての報告は少ないですが、エリスロマイシンにメチル基が1つついたものがクラリスロマイシンであり、両者が交差反応することは想像しやすいです。15員環マクロライドであるアジスロマイシンは、14員環であるエリスロマイシンやクラリスロマイシンとは構造が随分違うようにも思えますが、大枠としての構造は類似しており、アジスロマイシンとクラリスロマイシンでも33%で交差反応を認めたという報告がありますので1)、注意が必要です。

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