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教育講座
リンパ浮腫治療におけるリハビリテーション診療
Rehabilitation Strategies for Upper and Lower Extremity Lymphedema
土岐 めぐみ
1
Megumi Toki
1
1札幌医科大学医学部リハビリテーション医学講座
キーワード:
リンパ浮腫
,
診断
,
複合的治療
,
生活指導
,
運動療法
Keyword:
リンパ浮腫
,
診断
,
複合的治療
,
生活指導
,
運動療法
pp.535-540
発行日 2024年6月18日
Published Date 2024/6/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
2008年に四肢のリンパ浮腫治療のための弾性着衣等に係る療養費支給およびリンパ浮腫指導管理料が診療報酬として認められるまで,リンパ浮腫は治療する対象としての理解は今ほど広まってはいなかった.2009年度に厚生労働省委託事業がんのリハビリテーション研修の一環として,リンパ浮腫研修運営委員会が発足し,同委員会がリンパ浮腫に対する医療従事者を育成するため,研修会の開催,調査・研究,広報活動や情報提供などを行っている1).2016年にリンパ浮腫複合的治療料が設置され,リンパ浮腫診療が医療としての形を整えてきているが,いまだ課題が多いといわれている.
血管に比べると,リンパ管の研究は後れをとっているといわれていたが,2000年前後以降はリンパ管のマーカータンパク質が次々と同定され,新たなリンパの機能に関心が集まっている.リンパ管の加齢に伴う変化と,皮膚や眼,髄膜,腸間膜などさまざまな領域の研究が進んでおり,今後もリンパ管機能障害が引き起こすプロテオスタシス(タンパク質の恒常性:proteostasis)の欠陥と加齢性疾患との関連が注目されている2).
リンパ浮腫の治療は,エビデンスが乏しいというのが共通認識であるが3, 4),現時点での診療の流れについて紹介する.

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