連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・32
事故報告書、どうしてます?
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.106-107
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900551
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なくてはすまぬ報告書!
リスクマネジメントの見地から、私が働く病院でも事故報告書がどんどん前倒しで書かれるようになってきました。前倒しで、というのは、事故が起こってしまってからではなく、起こりそうになった事故に関しても報告書を書くという意味です。これは別名「ひやりはっと報告書」といわれ、その事故が起きやすい状況についての説明と、それを防いだ経過を共有することが、事故防止に役立つとされています。
こうした基本的な理屈に異論はありませんし、組織として必要な事情もわかります。今の世の中、ひとたび事故が起これば、市民マスコミ総出で医療機関叩きまくり、ですもん事故に際して何も報告のシステムがなかったでは済みません。極論すれば、この報告書によって事故が抑制できなかったとしても、報告書は書かれなければならない。これが私の基本的な考え方です。
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