連載 当事者研究・6
〈研究テーマ〉「スキル」としての摂食障害―いかにしてその方法を手に入れたか
渡辺 瑞穂
1
1べてるしあわせ研究所・摂食障害研究班
pp.42-47
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900525
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はじめに
「食べる」という,誰にとっても身近で口常的な営みに異変が生じる「摂食障害」が,北海道の片田舎浦河の地域でも珍しくなくなったのは,ここ5~6年の現象だという。
なぜ,過食するのか。なぜ,拒食するのか。
症状に関する書籍は数多く出版されているが,それらはいずれも「いかに治すか」という共通テーマのもとに作られている。
今回,べてるしあわせ研究所は,経験者10名(男性2名,女性8名)による摂食障害研究班を立ち上げ議論を重ねた。その結果見えてきたのが,「どうしたらなれるか」という視点であった。いままで,いかに治すかに腐心しながらも結果として食べ吐きに走り,罪悪感に苛まれてきた経験者たちにとって,「いかにしたらなれるか」という視点は大いに受け,議論も盛り上がった。
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