連載 現場に技あり!②
食い下がらない訪問看護―ドアから入れてもらえることの意味
萱間 真美
1
,
熊倉 耕次
2
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究部門
2東京都立松沢病院訪問看護室
pp.58-61
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900169
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今月のシーン
Tさんは64歳の女性。精神分裂病の診断。かってはスナックを経営していた。柔和な第一印象を与える人である。1994年10月にM病院社会復帰病棟から退院し,病棟からの訪問看護を最初の半年は1週間に1回,それ以後は2週間に1回受けていた。訪問看護室に引き継がれたのは1996年6月で,それ以降は2週間に1回の訪問を継続して受けている。現在はアパートに1人暮らし。近在の弟,甥との間に月1回程度の行き来がある。
訪問看護の目的は,生活状況の把握と服薬の確認,および症状の把握である。Tさんは身体の違和感が強く,さまざまな身体的症状を訴える。M病院の内科,整形外科,外科などに始終受診している。この違和感への対応が,訪問看護の目的の1つである。他にも肥満による下肢の関節痛もあり,食生活の指導が必要である。この日の訪問はK看護士が行なった。K看護士は,精神科看護の経験12年,訪問看護室専任になって10か月です。
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