特集 白石正明さん(編集担当)が主観で解説する シリーズ「ケアをひらく」全43冊
—白石正明さん(編集担当)が主観で解説する—シリーズ「ケアをひらく」全43冊
白石 正明
pp.97-136
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201250
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ケア学
ちょうど2000年の発行ですから、24年前に出した本ですね。いま見るとシリーズ全体のコンセプトをすでに言っていたと思います。帯文の「ケアの多様性を一望する」は良いコピーだなと我ながら思います。医学、看護、宗教、経済……あらゆる専門分野から見ると、ケアってものすごく半端なものにしか見えないんですよね。でもそれは、「群盲象をなでる」だからなのだということを、この本を編集してわかりました。専門分野側では、専門特化したほうが上だと思っている。それに対してこの本は、「君たちの小さな望遠鏡ではケアの大きさが見えていないだけなんだよ」と言っている。それだけの潜在力と広さと豊穣さがあるケアというものを、「わからないからといって、つまらない評価をしないでくれ」と言っているのがこの本です。
それまでも「ケアって必要だよね」ぐらいの認識は世の中にありましたが、ケアが一つの学問単位として、十分それに耐えうる魅力があるということを広井さんが初めて言ったのではないか。
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