研究・報告
ホームヘルプサービスはどう変わりうるか,取り巻く周囲や関係者がどう変わればいいのか―岐阜県の実態調査から
後藤 真澄
1
,
若松 利昭
2
1中部女子短期大学
2日本福祉大学
pp.862-866
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902443
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はじめに
高齢社会の進行に伴い介護ニーズが増大し,ホームヘルプサービスにおいては,介護ニーズに即したサービスを充実させることが重要な課題となっている.この課題を達成するためには,ホームヘルパーの量的拡大と質的確保の同時的な推進の必要性がいわれているが,現実の状況はどうであろうか.旧態依然として状況は動いていないように感じるのはなぜか.その疑問を突き進めていくために,岐阜県を素材にホームヘルパーの供給体制や仕事の役割などの実状を調べ,今後,ホームヘルプサービスの充実をどのように図れば良いのかを考えてみたいと思い,以下の調査を行なった.
この調査では,岐阜県の各市町村(99市町村)にホームヘルパーの量的整備状況や援助形態の実状を聞くとともに,現場で働くホームヘルパーに困難な仕事の実態を尋ねた.その結果,ヘルパーの量的整備は進みつつあるも,パート雇用で量的拡大を図っているため,不安定就労への移行を強めており,その結果としてニーズに見合ったサービス総量の増大が図られていないことが分かった.
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