特集 「対人援助困難」を克服する
はじめて精神分裂病患者の訪問看護を経験して
角田 直枝
1
1筑波メディカルセンター訪問看護ふれあい
pp.497-501
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901832
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はじめに
平成8年訪問看護統計調査によると,訪問看護利用者を疾患別にみた場合精神分裂病の利用者は約0.9%となっている.これは精神疾患患者の在宅療養に訪問看護が関わる機会がまだ少ないことを表している.
私達の訪問看護ステーションでも,設立以来5年目にはじめて精神分裂病患者の訪問看護を経験した.その事例は,筆者が病棟勤務をしていた時からボランティア的に関わった,独居の精神分裂病患者さんであった.訪問看護の希望は患者さんからであった.しかし,当訪問看護ステーションでは初めての事例であり,訪問看護婦に精神科看護の経験者がいないこともあって,導入前には対応が可能かどうか懸念された事例であった.この事例を振り返り,精神分裂病患者の在宅療養に訪問看護が関わるための条件を検討したい.
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