連載 管理者日誌・11
訪問看護師を支える継続教育
井上 弘子
1
1北海道総合在宅ケア事業団
pp.916-917
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901420
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継続教育を担当して
私は大学病院に在籍していた約30年の間,半分は看護部で継続教育と管理業務に携わっていました。臨床を離れて看護部に入った頃味わった,患者とのふれあいのない日常の寂寞感を今も思い出しますから,私にとって臨床看護は生き甲斐の一端であったことに間違いありません。対象が患者から看護職員に代わっただけだと悟ってからは,研修の中でスタッフの看護に触れ,グループワークを通して考えを共有し,間接看護を行なっているという手ごたえを実感しながら,スタッフとともに喜びや苦しみを分かち合ってきたように思います。このようにして,継続教育を11年間担当したことは,現在の私にとって大きな財産であると感じています。
15年以上も前のことになりますが,看護部に入って1年目に,中央研修で現任教育を受講する機会を得ました。全国から集まった約50名の現任教育担当者は一様に「いくら研修をしても,現場に戻るとやる気を失って元に戻ってしまう,どうしたらよいものか」という悩みを抱えていました。そして最終的には,研修企画者である自分たちが,対象のニーズや環境要因などを十分把握せず,外部講師に依存的な内容の研修しか行なっていないのではないかということに気づいたのです。
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