特集 介護保険外サービスに注目
特集4
訪問ボランティアナースの会「キャンナス」の活動から
菅原 由美
1
1訪問ボランティアナースの会キャンナス
pp.544-549
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901338
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ボランティアナースがゆく
キャンナスは,1997年3月神奈川県藤沢市でスタートしました。結婚後,子育てと主人がはじめた会社の経営に追われていた私が,キャンナスを発会した原点は自分の介護経験でした。主人の祖母,おば,父,母……おば以外の3人とも最後は在宅介護でした。祖母のときは,昼は仕事,夜は保育園に通う3番目の子を連れて病院へ泊まる,という毎日でした。祖母が先か私が先か……真剣にそう思いました。
そんな祖母や,癌の母,痴呆の父を家へ連れて帰れたのも,私に少しばかりの知識があったからです。現場を離れた“浦島太郎状態”の看護婦でも,医師との話し合い,在宅でのケアなど,地域で役立ち頼りにされることはたくさんあるとそのとき実感したのです。そして,「私と同じレベルの看護婦なら地域にたくさんいるはずだ。その看護婦たちと一緒に地域の人たちのお役にたちたい!」と考えました。錆ついた刀しか持っていない元看護婦だけど,みんなで錆落しをしながらやっていきたい,そう思ったのです。図1が発会当時のパンフレットであり,キャンナスの理念です。
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