特別記事
—特定行為研修修了者の実践と手応え❷—インタビュー調査から分かった手応えと課題
佐藤 千津代
1
1昭和大学保健医療学部看護学科
pp.731-735
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201530
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筆者には訪問看護ステーション所長の経験があります。そのため、訪問看護ステーションの安定的な運営と訪問看護の質の向上に常に関心を持ち続けています。特に質の向上の1つとしての訪問看護の役割拡大に関し、在宅でこそ必要とされる特定行為の実践の現状を知りたいと思っていました。そのような中、訪問看護ステーションに所属する特定行為研修修了者7名(表1)に、日頃の実践についてインタビューする機会を得ました。
特定行為研修修了者の数は現時点で、国が想定する数に到底及んでいません。その要因として「研修を受講したくても研修機関が遠い」「研修期間が長い」「代替人員の確保が困難」「必要性を感じない」「特定行為への抵抗感」などが挙がっています。中でも、「特定行為への抵抗感」には、「本来の看護ケアの質が低下するのではないか」「特定行為の普及により本来の看護師の役割から外れるのでは」という危惧がありました。しかしインタビューから、それらは杞憂であり、実践しての手応えが多く聞かれました。
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