特集 人生100年時代の地域包括ケアへ向けて—2018年同時改定を在宅現場でどう活かす?
—【キーワードで読む同時改定】—「介護医療院」の新設によって、高齢者の住まいはどうなる?
井上 由起子
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1日本社会事業大学専門職大学院
pp.400-401
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200939
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介護医療院とは
2018年度の同時改定で「介護医療院」が創設されました。介護医療院は医療を内包した介護保険施設で、看取りやターミナルまでを視野に入れた終の棲家をめざすものです。2017年度末に廃止が迫っていた介護療養病床や一部の医療療養病床の受け皿を審議するなかで、創設が決定されました。介護療養病床療養機能強化型相当のⅠ型と、転換型老人保健施設相当のⅡ型、2つの類型があります。審議会では介護つき有料老人ホームなどに衣替えし、訪問診療や訪問看護のしくみで医療を外から届ける「医療外づけ型」も提案されました。直近の調査によれば、現行の介護療養病床の多くはⅠ型へ転換する意向のようです。
今回の決定は2011年の介護療養病床の廃止に端を発しています。当時は転換先として介護療養型老人保健施設が創設されましたが、さまざまな理由で移行は進みませんでした。筆者は今回の審議会に構成員として出席していましたが、同じ轍を踏まないために、医療機関側との合意形成を丁寧に図り、適切な名称が提案されたと感じています。報酬でも移行を促進するさまざまなインセンティブが設定されています。
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