巻頭 地域包括ケアのまちを歩く—コミュニティデザインの視点で読み解くケアのまちづくり・第1回【新連載】
施設からまちへ—高齢者総合ケアセンターこぶし園・サポートセンター摂田屋
山崎 亮
1
1株式会社studio-L
pp.671-677
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200522
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大規模施設を解体、まち全体を「ケアのある暮らしの場」に
上越新幹線の長岡駅から車で40分あまりの郊外、民家もまばらな場所にあった大規模集約型の特別養護老人ホーム(以下、特養)「こぶし園」。入所時に涙ぐむ利用者や家族を見て、前総合施設長だった故・小山剛氏は「何かがおかしい」と考えた。
高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるには、何が必要か。365日・24時間暮らしを支えるケアと必要時の医療、食事や入浴などの生活支援、要介護度が高くても暮らせる場所、保険や制度の相談窓口……。施設のなかにいるのと同じサービスを自宅にいても受けられるように、こぶし園はそれらを「居宅サービス」として展開。複数の拠点をまちじゅうに設置し、そこにサテライト特養を併設して「サポートセンター」とした。そして、大規模特養に入所していた100人を、31年かけて、もといた地域に戻していった。
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