連載 一器多用・第50回
落ちこぼれのための独学術
岡田 慎一郎
pp.610-611
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200245
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- 文献概要
私は現在、理学療法士・介護福祉士として、医療・介護職を中心に身体介助技術の研修や書籍・DVDの刊行、通信講座の監修などを行なっています。
もともと腰痛に悩む医療・介護の現場の状況に、自分なりに何とかしたいと思い、身体介助技術の改善に向けてさまざまな試行錯誤をしていました。そのさなか、ある武術家との交流をきっかけに、筋力に頼らず身体に負担をかけない古武術的な身のこなしの有効性を知ったのです。そして、それをヒントにしてから身体介助技術の改善が大きく進展しました。このため私の活動は「古武術介護」と呼んでいただくことが多いのですが、これは私が名づけたものではなく、2004年に医学書院の『週刊医学界新聞』で介助技術の連載をするにあたり、担当編集者が、「古武術介護入門」という連載名としたことによります。その後、この連載が単行本化され、あまりにもタイトルのインパクトがあったため、ひとり歩きをしたというのが実態です。あくまでも「古武術介護」は、取り組みのニックネームに過ぎず、私自身は普遍的な身体運動理論と介助技術を実践・研究していると思っています。ですから、武術のみならず、スポーツ・音楽・ダンス・ロボット工学・建築など、さまざまな分野の方々との交流を通じ、自らの介助技術をつねに改善しながら作り上げようとしています。
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