訪問ほっとらいん
介護者から学んだ口腔ケア
佐藤 美咲
1
,
稲益 絵里
1
,
佐藤 厚子
2
1秋田看護福祉大学看護学科
2弘前医療福祉大学看護学学科
pp.1068
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102678
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在宅療養での主介護者は家族である場合が多いが、その方法は療養者の生活状況と個別性に結びついており、むしろ医療者が学ぶことが多々ある。私たちは、在宅ケア実習で訪問看護師に同行し、脳梗塞の後遺症で四肢麻痺・拘縮のある80歳代の女性(要介護5、全介助)を訪問した。その方は、意思疎通ができず嚥下障害があり、絶飲食で胃ろうを造設していた。また、開口障害があり、開口程度は約2横指であった。そうした状況のなか、介護者は工夫をこらして口腔ケアを行なっており、その姿に感銘を受けた。
絶飲食で口を動かしていない状態では唾液の分泌量が減り、口腔内が乾燥して細菌の繁殖が進みやすく、口腔内が不潔になりやすい。しかし、療養者の口腔衛生状態は良好で、口臭・潰瘍・出血はなく、舌に潤いがあった。また、在宅療養開始から3年あまり経過した現在でも、肺炎を一度も起こしていなかった。
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