連載 一器多用・第22回
「史上最強の施設バザー」
岡田 慎一郎
pp.258-259
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102464
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私がかつて勤務していた身体障害者療護施設では毎年、秋の文化祭にあわせて「バザー」を行なっていました。その品物の数々は、職員や入居者家族、食品・衣類・福祉用具等の取引先業者などから集めたものがほとんどでした。加えて、綿あめや焼きそば、ヨーヨー釣りなどの露店も並ぶ、ごくごく普通の福祉施設バザーの風景がそこにはありました。田んぼと畑の真ん中にある施設でしたから、来場者も職員や入居者の家族とご近所さんが中心の小じんまりとしたもので、売上げは10万円程度。そこから諸費用を差し引いた微々たる純利益でまかなえるのは、花壇の整備や駐車場の舗装への充当など限られていました。でも、バザーは地域とつながるきっかけづくりと捉えていましたので、売上げや利益をことさら気にする雰囲気はありませんでした。
ところが、そんなゆるやかな福祉施設バザーのイメージを覆す、すさまじいバザーを知りました。その施設の職員の方いわく、「史上最強の福祉施設バザー」であると。
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