連載 看護師が家族として経験した在宅緩和ケア・2
望む場所での療養を実現するための方法を考える
小林 美香子
1
1山田赤十字病院研修センター
pp.432-437
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101888
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在宅療養の現実
2010年4月1日。早朝、父は血餅を喀出し、少し息苦しそうだった。新年度の初日であり、私は出勤するつもりでいたが、父と母が不安そうにしているので、急遽、有休をとることにした。
『退院後のがん患者と家族の支援ガイド』(プリメド社)に、「在宅療養というと、脳血管障害や老衰などを対象とするイメージが強いが、がんの在宅療養の場合は、①通常は経過が短い、②苦痛の緩和や症状コントロールを重要視する、③家族全員の介護参加が望ましい、④『一日でも長生きする』を第一の目標としない」とあり、わが家の置かれている状況について理解ができた。
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